禁煙に催眠療法は効く?根拠のある方法と比べる
催眠療法、鍼、レーザー、サプリ。禁煙をうたう方法のうち、研究で効果が確かめられているのはどれか。コクラン・レビューの結論をもとに比較表で整理し、確実な選択肢まで案内します。
かんたんな答え
催眠療法が他の方法より優れているという根拠は、いまのところ十分ではありません。コクラン・レビューは、質の高い試験が少なく確かなことは言えないと結論づけています。鍼やレーザーも同様です。効果が繰り返し確認されているのは、ニコチン製剤や禁煙薬と、行動面の支援を組み合わせた方法です。
先に結論を書きます。催眠療法が他の方法より優れているという根拠は、いまのところ十分ではありません。
コクラン・レビューは、催眠療法の試験を集めたうえで、研究の質と数が足りず確かなことは言えないと結論づけています。効かないと証明されたわけではありません。「確かめられていない」という状態です。この違いは大事なので、以下で丁寧に分けていきます。
なぜ「効いた人がいる」のに根拠が弱いのですか?
催眠療法でやめられた人は実際にいます。ではなぜ研究で差が出ないのか。理由は、切り分けの難しさにあります。
催眠のセッションを受けるとき、あなたは同時に別のことも経験しています。数回にわたって専門家と会う。やめる理由を言葉にする。お金を払って予約を取る。誰かに期待される。これらはすべて、それ自体が禁煙の支援として働くことがわかっている要素です。
つまり、催眠が効いたのか、通ったことが効いたのかを分けられていません。研究者が問題にしているのはそこです。
根拠の強さで並べると、どうなりますか?
| 方法 | 根拠の強さ | わかっていること |
|---|---|---|
| ニコチン製剤(パッチ・ガム) | 強い | 禁煙成功率を5〜6割高める(コクラン) |
| 処方薬 | 強い | 単独の薬物療法として高い効果が示されている |
| 行動支援との併用 | 強い | 薬+支援の組み合わせが最も成績がよい |
| 電話・メッセージ型の支援 | 中程度 | 禁煙率を高める根拠がある |
| 段階的な減量(テーパー) | 中程度 | 計画的に行えば一気にやめる場合と同等 |
| 催眠療法 | 弱い | 質の高い試験が少なく、判断できない |
| 鍼 | 弱い | 有効な対照より優れる一貫した根拠なし |
| レーザー治療 | ほぼなし | 質の高い試験がほとんど存在しない |
| サプリ・ハーブ | ほぼなし | 禁煙効果を支持する根拠がない |
表の上半分と下半分の違いは、値段でも新しさでもありません。何千人単位の比較試験を通っているかどうかです。
鍼、レーザー、サプリはどうですか?
鍼については、コクラン・レビューが多数の試験を検討しています。何もしない場合と比べて短期的に差が出た試験はありますが、有効な比較対照と比べて優れているという一貫した根拠は見つかっていません。そして6か月以上続く効果は確認されていません。
レーザー治療、いわゆる禁煙レーザーは、鍼の考え方を機器に置き換えたものとして提供されていますが、質の高い試験がほとんどありません。
サプリメントやハーブ製品についても同様です。禁煙効果をうたう商品は多くありますが、それを支持する根拠は見当たりません。
正直に言うと、これらに共通しているのは「害が大きい」ことではなく、根拠のある方法を試す時期が遅れることです。半年をレーザーに使うより、その半年をニコチン製剤と計画に使ったほうが、成功する確率は高くなります。
では、何から始めればいいですか?
- 依存の強さを知る。 起きて何分で最初の1本を吸うか。30分以内なら依存は強めで、薬の併用が向いています
- 医療の選択肢を先に置く。 日本には条件を満たせば保険が使える禁煙外来があります。薬の種類や在庫は時期によって変わるので、いま何が選べるかは医師か薬剤師に確認してください
- 行動の側もひとつ決める。 薬だけ、支援だけより、両方そろえたときがいちばん成績がよくなります。記録をつける、報告する相手を決める、渇望時の手順を用意する。どれかひとつで構いません
- どうしても催眠を試したいなら、並行して。 置き換えではなく追加として使ってください。費用が高いなら、同じ金額を数か月分のニコチン製剤に回すほうが、期待値としては確実です
「意志が弱いから効かない」ではありません
根拠の弱い方法をいくつも試してうまくいかないと、自分の問題だと感じます。でも、実際に起きているのは道具の問題です。ニコチン依存は化学的な依存であり、性格の話ではありません。
Puff Counterは、あなたが実際に吸っている回数を1本ずつ数えて、そこから週ごとの上限を引きます。自分の行動を記録すること自体が禁煙を支える要素のひとつであり、これは薬でも催眠でもなく、あなたの数字にもとづく部分です。医療の力を借りるかどうかにかかわらず、ここは今日から始められます。
魔法を探す時間を、確かめられている方法に回してください。そのほうが、早く終わります。
よくある質問
催眠療法で禁煙できた人がいるのはなぜですか?
実際にやめられた人はいます。ただし研究では、催眠そのものの効果と、面談で受ける励ましや期待感の効果を切り分けることが難しいとされています。数回にわたって専門家と会い、やめる決意を言葉にする過程自体が支援として働くためです。効果がないというより、催眠が理由だと確認できていない状態です。
鍼やレーザー治療は禁煙に効きますか?
コクラン・レビューでは、鍼が有効な比較対照より優れているという一貫した根拠は見つかっていません。短期的に差が出た試験もありますが、6か月以上続く効果は確認されていません。レーザー治療についても、質の高い試験がほとんどなく、有効性を支持する根拠はありません。
禁煙で確実に効果があるとわかっている方法は何ですか?
ニコチンパッチやガムなどのニコチン製剤は、禁煙成功率を5〜6割高めることがコクラン・レビューで示されています。処方薬にも効果の根拠があります。さらに、薬と行動面の支援を組み合わせた場合が最も成績がよく、これはどのレビューでも一貫しています。
催眠療法を試すのは無駄ですか?
無駄とは言いません。害の報告も多くありません。ただし、それだけに頼ると、根拠のある選択肢を試す時期が遅れます。試すなら、ニコチン製剤や禁煙外来と並行してください。費用が高い場合は、同じ金額を数か月分のニコチン製剤に使うほうが、期待値としては確実です。