今週また吸ってしまった、すべての人へ
1本は事故で、2本目が選択です。ゼロに戻ったわけではありません。責める言葉が1つもない、再開のための短い手紙。誰かに転送してもかまいません。
かんたんな答え
1本吸ったことは失敗ではなく、そこで「終わった」と判断することが失敗です。禁煙成功までの試行回数を6回から30回程度と推計した研究があります(BMJ Open, 2016)。つまり複数回吸い直すのは例外ではなく標準経路です。再開は明日ではなく、今日の次の1本からできます。
吸ってしまったんですね。
まず、この文章にはあなたを責める行が1つもありません。安心して最後まで読んでください。
何が起きたのかを正確に
あなたは1本吸いました。それだけです。
起きていないことのほうを並べます。あなたは元に戻っていません。積み上げた日数が消えたわけでもありません。人格が壊れたわけでも、向いていないことが証明されたわけでもありません。1本は事故です。
危険なのは、事故そのものではなく、そのあとに来る一文です。「もうダメだ」。この一文が2本目を許可します。2本目が3本目を許可します。金曜の夜に1本だったものが、日曜には元の本数に戻っている経路は、ほとんどの場合これです。
順番を書いておきます。
- 1本吸う(ここまでは事故)
- 「台無しになった」と解釈する
- どうせ台無しなら今日は数えなくていい、と決める
- 翌朝、再開の日付を来週に設定する
- その1週間が全部喫煙日になる
崩れているのは1ではなく2です。1は変えられませんが、2は今から変えられます。
1本は事故、2本目が選択
覚えておく原則は1つで足ります。2度続けて外さない。
1回のずれは記録に残りません。2回続くと習慣が戻ります。だから判断のポイントは、吸った直後ではありません。次の機会です。次に吸える場面が来たとき、そこを普通に見送れば、今回の1本は事故のまま終わります。
あなたが例外ではないことの根拠
禁煙成功までの試行回数を6回から30回程度と推計した研究があります(BMJ Open, 2016)。読み方を間違えないでください。これは「多くの人が失敗する」というデータではありません。成功した人が、そこに至るまで何度も吸い直しているというデータです。
つまり今あなたがいる場所は、脱落地点ではなく通過地点です。統計的にいえば、成功する人が全員通っている場所にいます。
今日のうちにやる3つのこと
明日からにしないでください。明日は今日より簡単にはなりません。
- きっかけを1行だけ書く。 何時に、どこで、誰といて、直前に何を感じたか。分析ではなく記録です。同じ引き金は必ずもう一度来ます。
- 次の1本を見送る計画を1つ決める。 場所を変える、水を飲む、4秒吸って4秒吐く呼吸を数回。渇望の波は3〜5分でピークを越えます。3〜5分埋められれば通過できます。
- 今日を1日目と呼ばない。 続きです。1日目に戻すと、これまでの日数が罰として消えます。それは事実に反します。
誰にも言えていない人へ
言えていないなら、それも普通です。ただ1人だけ、事情を知っていて責めない人に「また吸った」とだけ送ってみてください。返信は要りません。声に出した渇望は、黙っている渇望より小さくなります。
そして数字を持っておいてください。今日、本数か回数を数える。減らさなくていいので、数えるだけです。Puff Counterは1タップで記録し、実際の数字から週ごとの上限を引き直すので、1本の事故が全体をどれだけ動かしたか(たいていは、ほとんど動かしていません)がそのまま見えます。感覚は「全部台無し」と言いますが、数字はそう言いません。
最後に
やめようとした人だけが、再開の問題に直面します。一度も試していない人には、この記事を読む理由すらありません。
次の1本から戻ってください。明日ではなく、今日の次の1本からです。
この文章が今のあなたに必要なかったなら、必要そうな人に転送してください。今週、それを待っている人がいます。
よくある質問
1本吸ったら、今までの日数は無駄になりますか?
なりません。身体面では、吸わなかった日々に起きた変化がすべて巻き戻るわけではなく、依存の強さも1本で開始時点に戻るわけではありません。危険なのは1本そのものより、「もうゼロだ」という解釈のあとに続く2本目、3本目です。
「2度続けて外さない」とはどういう意味ですか?
1回のずれは記録に影響しないが、2回続くと習慣が戻る、という考え方です。1本吸ったあと、次の1本を予定どおり見送れば、そこは事故のままで終わります。判断のポイントは、吸った直後ではなく次の機会にあります。
何度も失敗する自分は意志が弱いのですか?
回数は意志の強さを測る指標ではありません。ニコチン依存は薬理的な依存であり、離脱症状は3日目前後にピークを迎え、2〜3週間かけて薄れます。何度も試みているという事実は、諦めていない証拠のほうです。
再開するのに良いタイミングはいつですか?
今日です。月曜、来月、来年といった区切りを待つと、その間の日数が全部喫煙日になります。区切りの日付に効果はありません。効果があるのは、何がきっかけで吸ったのかを1行書いてから再開することです。