飲むと吸う本数が増えるのはなぜか
飲み会は最も多い再喫煙の場面です。お酒とニコチンを引き寄せる3つの仕組みと、素面のうちに立てておく飲み会の計画をまとめます。
かんたんな答え
お酒とニコチンは脳の報酬系で互いを強め合い、アルコールは決めたことを保つ自制の働きを鈍らせ、そして飲み会の場は喫煙の合図で埋め尽くされています。この3つが重なるため、飲酒は最も多く報告される再喫煙の場面になります。だから最初の飲み会の計画は、素面のうちに立てておく必要があります。
4日間吸わずにいて、自分でも悪くないと思っていた。金曜に飲みに行って、2杯目のあたりで、決めた覚えもないのに1本を持っていた。
これは性格の欠陥でも、意志の弱さでもありません。飲酒は、つまずきの場面として一貫して最も多く報告される状況で、その背後には別々の仕組みが3つあります。3つは重なります。全部を理解して初めて、飲み会を「祈る」のではなく「計画する」ことができます。
仕組み1:互いを強め合う
アルコールとニコチンは重なり合う報酬系に作用し、それぞれが相手の魅力を高めます。
ニコチンはアルコールの鎮静作用の一部を打ち消します。少し頭が冴えるので、吸う人はそうでない場合より長く席にとどまり、多く飲みます。逆方向では、アルコールが1本の価値を引き上げます。同じ1本が、午前11時よりも2杯目のあとのほうが気持ちよく感じられます。
これは自然な終わりのないループです。2つの習慣がここまで一緒に暮らしている理由であり、片方を減らすともう片方が楽になる理由でもあります。そして「飲むときしか吸わない」が言い訳ではなく実在するパターンであり、しかも禁煙にしぶとく生き残る理由でもあります。
仕組み2:アルコールがブレーキを外す
決めたことは、努力を要する心の働きによって保たれています。しかもその働きは、自分より速くて古い衝動と、実時間で競争しなければなりません。
アルコールは、まさにその能力を落とします。注意は目の前のものに狭まり、長期的な理由、つまり計画も、日付も、積み上げた4日間も、抽象的で遠いものになります。忘れるのではありません。いまこの瞬間に順位で負けるのです。
実務上の結論はひとつです。深夜0時に決めることは、夕方6時に決めたことより必ず質が落ちます。だから判断は6時に済ませ、しかも0時が交渉し直せない形にしておく必要があります。
仕組み3:場そのものが合図でできている
習慣は文脈が引き金になります。そして飲む場は、引き金の密度が異常に高い。
片手のグラスと、空いたもう片方の手。みんなが向かう喫煙所。会話の切れ目。立ち上がって、こちらを見る同僚。屋内が原則禁煙になったことの副産物として、喫煙は社交イベントになりました。小さな集団が一緒に席を立ち、そこだけの会話があり、残った人は内輪の話から外れます。
最後のものがいちばん強く、いちばん語られません。引っぱっているのはニコチンではないことが多い。テーブルに置いていかれる側になりたくない、という感覚のほうです。
素面のうちに立てる計画
問題は飲み会ではありません。無計画な飲み会です。
行く前に
- 結果を先に決めて、1人に伝える。 「頑張ってみる」ではなく、「今夜は吸わない」と具体的に。声に出して友人に言うと、その決定の管理者がもう1人増えます
- 何か食べてから行く。 空腹で飲むと吸収が速く、ブレーキが早く外れます
- 箱を家に置いていく。 判断が鈍っているときは、障害物のひとつひとつが効きます。人に頼むのは障害物です。買いに行くのはもっと大きな障害物です
- 代わりに持つものを決める。 空いた手のためのもの。炭酸水でもソフトドリンクでも、グラスに入っていれば何でも。ふさがっている手は伸びません
その場で
- お酒と水を交互にする。 アルコールの立ち上がりを遅くします。ほかのすべてを動かしているのがそれです
- 喫煙所には一緒に行っていい。 目的は1本ではなく会話です。行って、立って、吸わない。残って恨めしく思うより、はるかにうまくいきます
- 3分ルールを使う。 渇望はおよそ3〜5分でピークを越えて過ぎます。店の中なら、3分はトイレ1往復か、注文1回分です
- 着く前に終わりの時間を決める。 つまずきの多くは夜の終わりに起きます。杯数が最も多く、決意が最も薄い時間帯です
あとで
- 何が起きたにせよ記録する。 吸っても吸わなくても、その記録が次の夜を楽にします
- 2回続けて外さない。 1回の夜は出来事、2晩続くとパターンの再開。実際に効いてくる線はそこです
しばらく飲まないほうがいいのか
最初の3〜4週間は、無理なくできるならそのほうがいい。多くの禁煙支援がまさにそう勧めています。
道徳の話ではありません。日程の話です。最初の数週間は新しいパターンが壊れやすく、古いパターンは無傷のまま残っています。その期間を、手に入る中で最も条件の悪い場面で過ごさないのは、単純なリスク管理です。4週間の休肝期間は、よく使われる、扱いやすい目標です。
予想していなかった副産物を報告する人もいます。そのあと、飲む量も戻らないことが多いのです。鎮静を打ち消していたニコチンがなくなると、自然な切り上げどきが早く来ます。
もう吸ってしまった場合
大げさなことは何もしません。
飲み会でのつまずきは、禁煙の挑戦が中断される最も一般的な形で、最終的にやめた人のほとんどが経験しています。それが再喫煙になるのは、明日も吸う日になったときだけです。
だから、記録します。引き金に正直な名前をつけます。お酒だったのか、集団が席を立ったことだったのか、誰かに差し出された瞬間だったのか。そして次の機会に計画へ戻ります。次の機会とは、翌朝のことです。来週の月曜でも、来月でもありません。
Puff Counterは、それを騒ぎにせず済ませるために作られています。1本または1回ごとに1タップなので、飲み会は判定ではなくデータ点になります。週の上限は、金曜が1回崩れたからといって計画全体を壊さず、実際にした記録から計算し直されます。
今日の2分
これからの2週間を見て、いちばん難しい夜を1つ見つけてください。結婚式でも、誕生日でも、毎週の金曜でも。
その日どうするかを、いま1文だけ書いて、その場に一緒にいる人に送ります。夜を生き延びる決定は、素面で下されたものだけです。
よくある質問
お酒を飲むとなぜたばこが吸いたくなるのですか?
3つが同時に起きています。アルコールとニコチンは重なり合う報酬系に働き、互いの魅力を高め合います。アルコールは決めたことを保つ心のブレーキを弱めます。そして場そのものが学習された合図で満ちています。グラス、喫煙所、席を立つ同僚といったものです。
禁煙中はお酒を避けたほうがいいですか?
最初の数週間は、無理なくできる範囲で避けるほうが有利です。多くの禁煙支援でそう勧められるのは、飲酒が悪いからではなく、新しいパターンが最も不安定な時期に、最も条件の悪い場面へ自分を置くことになるからです。4週間の休肝期間はよく使われる、現実的な目標です。
たばこを吸うとお酒の量も増えますか?
この向きにも働きます。ニコチンはアルコールの鎮静作用の一部を打ち消すため、飲みながら吸う人は席に長くとどまり、そうでなければ飲まなかった量まで飲むことが多くなります。2つの習慣は互いを膨らませるので、片方を減らすともう片方も減らしやすくなります。
飲み会で吸ってしまいました。もう失敗ですか?
失敗ではありません。1回の夜は出来事であり、やめられた人のほとんどが経験しています。それが再喫煙に変わるのは翌日です。1回のつまずきを「全部だめだった証拠」として使ってしまったときに変わります。記録して、引き金に名前をつけて、次の機会に計画へ戻ってください。