水たばこ(シーシャ)は紙巻きより有害?
水は煙を冷やすだけで、有害物質は取り除きません。WHOは1時間で紙巻き1本の100〜200倍の煙を吸い込むと推計しています。
かんたんな答え
シーシャは紙巻きタバコより安全ではありません。水は煙を冷やして吸いやすくするだけで、有害物質を濾し取るわけではないとWHOは明言しています。1時間のセッションで紙巻き1本の100〜200倍の量の煙を吸い込むと推計され、上に載せる炭が一酸化炭素と独自の有害物質を加えます。
シーシャバーからの帰り道、なんとなく頭が重い。あれはリラックスの余韻ではありません。
水たばこには、紙巻きタバコがとっくに失った寛容さが残っています。理由は水です。煙が冷たく、甘く、のどにやさしいので、体に何かをしている感じがしない。
水は煙を冷やします。きれいにはしません。誤解のほとんどが、この一点から始まっています。
シーシャの水は有害物質を濾してくれますか?
いいえ。WHOは、水が煙の有害物質を濾し取ることはないと明言しています。
変わるのは、入ってくるときの感触だけです。冷えて刺激の減った煙は、深く、長く吸い込めます。つまり水は、吸い込む量を減らす方向ではなく、増やす方向に働きます。
紙巻きタバコは単位がはっきりしています。1本はおよそ5分、吸い込む回数は10回前後で終わり、そこに天井があります。シーシャに天井はありません。WHOは1回のセッションを20〜80分、吸い込む回数を50〜200回と見積もり、1時間で紙巻き1本の100〜200倍にあたる量の煙を吸い込むと推計しています。
煙の量と、体に入るニコチンの量は同じではありません。冷えた水たばこの煙ひと口と、紙巻きの煙ひと口は化学的に同一ではないからです。それでも方向ははっきりしています。やさしく感じるほうの製品を、人ははるかに多く吸い込みます。
上に載せた炭は何を足しているのか
ここが、会話からいちばん抜け落ちる部分です。
紙巻きの煙は、たばこ葉が燃えて出てきます。水たばこの煙は、上に載せた炭で熱せられたたばこから出てきます。そして、その炭自体がもうひとつの燃焼源です。WHOの注意喚起は具体的で、炭が一酸化炭素、金属、発がん性物質を上乗せすると述べています。
一酸化炭素は、体感としていちばん近いところにあります。換気の悪い店で長く過ごしたあとの、めまい、頭痛、体の重さ。あれはくつろぎのサインではありません。炭による影響としてよく知られたもので、水たばこ由来の一酸化炭素中毒が救急外来で報告される国もあります。
フルーツの香りだから、たばこではない?
ほとんどの製品は、たばこです。店で出てくる甘く湿ったフレーバーは、糖蜜とグリセリン、香料を混ぜたたばこ葉です。フルーツは売り方の話で、ニコチンのほうは本物です。
たばこ葉を含まないハーブ系のフレーバーは別の製品で、たしかにたばことニコチンは避けられます。ただし炭は避けられません。一酸化炭素も避けられません。1時間、燃焼で出たものを吸い込み続ける構造も変わりません。ある一点で害が少ないことは、問題ないことと同じ意味ではありません。
週末だけのシーシャがやめにくい理由
紙巻きの依存は、自分から名乗り出てきます。箱があり、朝の1本があり、コンビニへ行く自分がいます。
水たばこの依存は、別のものの中に隠れます。場所は店で、目的は人と会うこと。頭の中では「喫煙」ではなく「その日の予定」に分類されています。喫煙者が自分の箱数を把握しているようには、誰もセッション数を数えていません。
だから、口に出しにくい質問のほうが役に立ちます。
- この1か月で何回行きましたか。平均ではなく、直近の1か月です
- 人に会いに行っているのか、人がいる場所にシーシャがあるのか
- ひとりで吸ったことはありますか
- 明日その店が閉まったら、少しほっとしますか
週1回の儀式でつくられたニコチン依存も、ニコチン依存です。しかも紙巻きの習慣より社会的な結びつきが強いぶん、禁煙のたびに生き残ります。紙巻きはやめても水たばこは残る。水たばこは、そもそも問題として数えられていないからです。
同じ席にいる人はどうなりますか
テーブルの全員が吸っています。隣のテーブルの人もです。
1回のセッションは1時間近く続き、その間ずっと炭が燃えています。屋内の店では、煙と微小粒子、一酸化炭素が空気そのものに蓄積します。水たばこの店が、紙巻きと同じ屋内喫煙のルールに含められていく国が増えているのはこのためです。
自分の喫煙を減らしてきた人にとって、その部屋で過ごす1時間は、中立な1時間ではありません。
やめると何が戻ってきますか
紙巻きをやめたときに回復するものは、水たばこをやめても同じ時計で回復します。同じ燃焼と、同じニコチンだからです。
血中の一酸化炭素は1日ほどでほぼ抜け、長いセッションのあとの重さも一緒に消えます。味覚とにおいは数週間かけて戻ります。血流は数か月かけて改善します。燃えたたばこを吸い込むことに伴う長期的なリスクは、吸い込むのをやめた日から下がり始め、その後何年も下がり続けます。
多くの人が最初に気づくのは睡眠です。夜の長いセッションは、興奮性の物質と部屋いっぱいの一酸化炭素を残して終わります。水たばこのない最初の週末は、たいていはっきり眠れます。
減らすには、数える単位を自分でつくる
紙巻きは単位で数えられるので、自然に減らせます。水たばこには単位がないので、こちらで用意する必要があります。
- 2週間、何も変えずに回数だけ記録する。 行った回数と、だいたいの滞在時間。これまで一度も存在しなかった数字です
- 1回だけ、吸い込んだ回数を数えてみる。 「話しながら何度か」という自己イメージと、100回を超える現実の差に、ほとんどの人が驚きます
- 頻度だけでなく、1回の長さを削る。 半分の量で終える、30分で切り上げる。月に1回行くのをやめるより、煙の総量は大きく減ります
- 儀式と道具を切り離す。 同じ店、同じ人、同じお茶で、吸わずに座ってみる。それが無理に感じるなら、自分が何に結びついているかがわかります
- ゼロの日を決める。 6〜10週間先に置き、そこへ向けて週あたりの上限を下げていきます
Puff Counterはこの数え方のために作られています。スマートフォン、Apple Watch、ホーム画面から1回のタップで吸い込みやセッションを記録し、意気込みではなく実際の記録から週ごとの上限を組み直します。履歴が残るので、月の合計が推測ではなくなります。
今日の2分
今日は何もやめなくて構いません。カレンダーを開いて、この4週間で行ったシーシャの回数に印をつけてください。
出てきた数を12倍します。それがあなたの1年です。そしておそらく、その数字を見るのは初めてのはずです。
よくある質問
シーシャの水は有害物質を濾してくれますか?
いいえ。水は煙を冷やして刺激を弱めるので、深く長く吸い込みやすくなりますが、WHOは水が有害物質を濾し取ることはないと明言しています。変わるのは入ってくるときの感触だけで、煙に含まれているものは変わりません。
シーシャ1回は紙巻きタバコ何本分ですか?
本数への正確な換算はできません。ニコチンの量は、たばこの種類、炭の状態、吸い方で大きく変わるからです。公衆衛生機関が数字で示しているのは煙の量で、WHOは1時間のセッションで紙巻き1本の100〜200倍を、50〜200回の吸い込みで取り込むと推計しています。
週末だけのシーシャでも依存しますか?
します。水たばこにはニコチンが含まれ、1回のセッションでそれが体に届きます。週1回のペースでも依存は成立します。しかも社交の場に組み込まれているため、本人が「習慣」として認識しにくく、合計の回数が一度も数えられないまま続きやすいという問題があります。
マウスピースの使い回しは危険ですか?
煙とは別のリスクとして、危険です。WHOはマウスピースの共有が感染症の伝播につながりうると指摘しており、使い捨ての個人用マウスピースが用意されているのはこのためです。自分の分を持参するのは合理的ですが、吸い込む中身は何も変わりません。