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肺がん検診と喫煙指数の計算

パックイヤーは1日の箱数×吸った年数。日本で使う喫煙指数は1日の本数×年数です。この数字が対象かどうかを決めます。計算方法と低線量CTの役割を説明します。

公開日 更新日 Puff Counter Team 7 分で読めます

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かんたんな答え

パックイヤーは、1日の箱数×吸った年数です。1日1箱を20年なら20パックイヤーで、日本でよく使う喫煙指数(1日の本数×年数)では400にあたります。米国のUSPSTFは50〜80歳で20パックイヤー以上の人への年1回の低線量CTを推奨していますが、基準は国によって異なります。

肺がんは、進行するまでたいてい静かです。それがこの病気をこれほど致命的にしている事実であり、同時に、適切な人を対象にした検診が効く理由でもあります。

自分がその「適切な人」にあたるかどうかは、ひとつの数字で決まります。そしてその数字は、1分ほどで出せます。

パックイヤーと喫煙指数の計算

パックイヤー = 1日の箱数 × 吸った年数

計算はこれだけです。1箱は20本として数えます。

日本の医療機関では、喫煙指数(ブリンクマン指数) = 1日の本数 × 吸った年数のほうがよく使われます。1箱が20本なので、喫煙指数はパックイヤーのちょうど20倍です。20パックイヤーは喫煙指数400、30パックイヤーは600。同じことを別の単位で言っているだけです。

計算例です。

吸い方年数パックイヤー喫煙指数
1日1箱(20本)20年20400
1日半箱(10本)30年15300
1日2箱(40本)15年30600
1日1.5箱(30本)20年30600
1日5本40年10200

吸う量が時期によって変わったなら、期間ごとに分けて足します。半箱を10年(5)と1箱を15年(15)なら、合わせて20パックイヤーです。

いま、だいたいで出してみてください。そのうえで読み進めてください。この数字には、具体的な意味があります。

検診は誰を対象にしていますか

米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、次の条件を満たす人への、低線量CTによる年1回の検診を推奨しています。

  • 50歳から80歳であること
  • 喫煙歴が20パックイヤー以上(喫煙指数400以上)であること
  • いま吸っている、または過去15年以内にやめたこと

これについて、三つ言っておきます。

これは米国の基準です。 対象の条件も、検診が実施されているかどうかも、国によって大きく異なります。上の数字が日本でそのまま適用されると考えないでください。もっとも広く引用されている基準ではありますが、世界共通の規則ではありません。自分にあてはまるかどうかを決めるのは、あなたの医師です。

「15年以内」は見落とされます。 対象はいま吸っている人だけではありません。25年吸ったあと8年前にやめた人は、この考え方ではまだ対象に入りうるということです。

基準の外にいることは、リスクがゼロという意味ではありません。 その集団に対して、検診の利益が不利益を上回ると示されていない、という意味です。症状がある場合は、対象かどうかに関係なく、いつでも調べる価値があります。

低線量CTは何をしますか

低線量CTは短い検査です。数分で終わり、注射はなく、通常のCTのごく一部の放射線量で行われます。

探しているのは肺の小さな結節で、その大半はがんではありません。検診が買っているのは、腫瘍がまだ小さく、その場にとどまっているうちに見つける機会です。治療がいちばんよく効くのは、その段階です。症状が出てから見つかる肺がんは、たいてい遅れて見つかります。

リスクの高い集団に年1回の低線量CTを行うと、肺がんによる死亡が減ります。推奨が存在する理由はそこにあります。

胸部レントゲンは代わりになりません。 レントゲンは肺がんの検診として有効ではなく、安心の材料に使うべきものではありません。

正直な欠点

検診に代償がないわけではありません。途中で知るより、考える段階で知っておくほうがいい。

偽陽性はよくあります。 結果的に良性だった小さな結節が、しばしば見つかります。それは再検査、何か月もの経過観察、現実の不安、そしてときには不要だった侵襲的な処置を意味します。

放射線。 量は少ないものの、毎年くり返します。リスクの高い集団では割に合いますが、リスクの低い人では合いません。基準が狭いのは、まさにそのためです。

検診は喫煙を安全にしません。 ここは大事です。検診はいくつかのがんを早く見つけますが、がんを防ぐわけではありません。心臓の病気にも、脳卒中にも、COPDにも、喫煙が原因になるほかの十数種類のがんにも、何もしません。検診を「吸い続けてよい許可」として使うのは、考えうるかぎり最悪の使い方です。

いまあなたに使えるもののなかで、いちばん効果が大きいのは、やはりやめることです。

加熱式たばこの年数はどう数えますか

正直に書きます。パックイヤーも喫煙指数も、紙巻きたばこを前提につくられた物差しです。加熱式たばこの年数をどう換算するかについて、確立した方法はありません。

だから、自分で決めずに、紙巻きを吸っていた期間と加熱式に切り替えてからの期間を、それぞれそのまま医師に伝えてください。判断の材料になるのは、あなたが計算した一つの数字ではなく、その経過です。

検診より先に受診すべき症状

検診は、症状のない人のためのものです。次のどれかがあるなら、それは別の話で、しかも早いほうがいい。

  • 3週間以上続く咳、あるいは前からある咳の性質が変わった
  • 血の混じった痰が出る
  • 息切れ、胸や肩の痛みが続く
  • 肺の感染をくり返す
  • 原因のわからない体重減少、続く強い疲れ
  • 3週間以上続く声のかすれ

どれも、がんだという意味ではありません。どれも、調べに行くという意味です。

今週やること

  1. 自分のパックイヤーと喫煙指数を計算する。 1日の箱数×年数、1日の本数×年数。書き留めてください
  2. 次の健康診断でその数字を出す。 日本には、年に一度きちんと医師に会う仕組みがあります。使ってください。聞き方は「この数字だと、私に肺がん検診はあてはまりますか」で十分です
  3. その答えで禁煙の計画を変えない。 対象であってもなくても、リスクをいちばん下げるのはやめることです
  4. 3日間数える。 吸ったその場で1本ずつ。減らしはじめる本当の出発点になります
  5. ゼロの日を8〜12週間先に決める。 実測した平均から、週ごとに上限を下げます
  6. 「15年」の時計は、早くやめた人ほど有利であることを覚えておく。 そしてこのサイトにあるほかのリスクは、やめた日から下がりはじめます

Puff Counterは数える部分を引き受けます。1本、あるいは1回の吸い込みごとに1タップ。実際に吸った量から週の上限が計算し直され、全期間の履歴が残るので、年間の数字が推測でなくなります。

今日の2分

いま、自分のパックイヤーを計算してください。1日の箱数×年数。掛け算ひとつです。

その数字は、次の健康診断で医師に見せる価値があります。そして同時に、あなたが吸うのをやめた日から、増えるのが止まる数字でもあります。

よくある質問

パックイヤーはどうやって計算しますか?

1日に吸う箱数に、吸ってきた年数を掛けます。1日1箱を20年なら20パックイヤー。1日半箱を30年なら15。1日2箱を15年なら30です。1箱は20本で計算します。吸う量が時期によって変わったなら、期間ごとに計算して足してください。

喫煙指数とパックイヤーはどう違いますか?

喫煙指数(ブリンクマン指数)は1日の本数×年数、パックイヤーは1日の箱数×年数です。1箱を20本として計算するので、喫煙指数はパックイヤーのちょうど20倍になります。20パックイヤーは喫煙指数400、30パックイヤーは600です。同じことを別の単位で言っています。

肺がん検診は誰が受けるべきですか?

米国のUSPSTFは、50〜80歳で20パックイヤー以上の喫煙歴があり、いま吸っているか過去15年以内にやめた人に、年1回の低線量CTを推奨しています。これは米国の基準です。国によって基準も実施状況も異なるため、自分にあてはまるかどうかは医師が判断します。

肺がん検診にはどんな欠点がありますか?

主なものは偽陽性です。がんではない小さな結節が見つかることが多く、追加の検査、経過観察、不安、ときには結果的に不要だった生検につながります。わずかな放射線被曝もあります。リスクの高い人では利益が上回るため、基準が狭く設定されています。