たばこは逆流性食道炎の原因になるのか
たばこは胃の入り口の弁をゆるめ、酸を中和する唾液を減らします。だから食後の1本で胸やけが来ます。禁煙後は数週間で楽になることが多い症状です。
かんたんな答え
喫煙は逆流を二方向から起こします。胃の内容物を下にとどめている下部食道括約筋のしまりを弱めること、そして、もれた酸を中和している唾液の分泌を減らすことです。この二つは同じ向きに働きます。逆流は、禁煙後の数週間で楽になることが多い症状です。
肺のことは誰でも知っています。けれど、夕食のあとの胸の焼ける感じが、そのあとのコーヒーと一緒に吸った1本とつながっていると教わる人は、ほとんどいません。
このつながりは直接的で、機械的で、そして理解するとかなり気持ちがいい。仕組みが見えた瞬間から、どの1本が原因になるかを自分で予測できるようになるからです。
何が起きているのですか
食道が胃につながるところに、筋肉の輪があります。下部食道括約筋です。食べものが来たときに開き、それ以外のときは閉じている。胃酸を胃酸のいるべき場所にとどめておくのが仕事です。
喫煙は、このしまりを弱めます。弱い弁は確実に閉じません。胃の内容物が食道へ上がってきます。食道には、胃と違って酸から身を守る粘膜がありません。
これが一つ目の仕組みです。二つ目はもっと目立たず、そしておそらくもっと重要です。
唾液です。 唾液はアルカリ性です。飲み込むことで酸を下へ洗い流し、残ったものを中和します。体が持っている、途切れない、自動の逆流対策です。あなたは気づかないまま、1日に何百回もそれを走らせています。
喫煙は、唾液の分泌を減らします。つまり、弁を通って上がってくる酸が増えるまさにその瞬間に、それを中和するものが減っているということです。
弱い弁と、薄い守り。喫煙と逆流がこれほどぴったり一緒に動く理由は、ここにあります。
なぜ食後の1本がいちばん悪いのですか
これは、逆流のある喫煙者の多くがすでに気づいていて、けれど結びつけていなかった模様を説明します。
たくさん食べたあと、胃はいっぱいで、内側の圧は高くなっています。その圧はすでに弁を上へ押しています。そこへ、弁をゆるめて唾液を減らすものを、ちょうどそのタイミングで入れます。
食後の1本は、逆流にとって機械的に最悪のタイミングです。そして多くの人にとって、1日でいちばん手放したくない1本でもあります。
そのあと横になると、最後に助けてくれていたもの、つまり重力まで外れます。夕食、1本、そしてソファ。これが古典的な逆流の並びです。
加熱式たばこなら大丈夫ですか
正直に書きます。ここで説明した二つの仕組みは、喫煙について示されているものです。加熱式たばこで同じことが起きるかどうかを示すデータは、まだありません。「調べられていない」は「起きない」ではありません。
そして、はっきりしていることがひとつあります。仕組みが何であれ、食後にテーブルを離れずに1本という並びは、製品を変えても変わりません。胃がいっぱいで、圧が高く、そのまま座っている。逆流にとっていちばん効くのは、その並びを崩すことです。
なぜ真剣に扱う価値があるのですか
胸やけは、面倒なこととして片づけやすい症状です。市販薬で収まるならなおさらです。
続く逆流は、それより少し注意を向ける価値があります。くり返し酸にさらされることで食道の粘膜は炎症を起こし、何年もかけて、経過を見る必要のある形に変わることがあります。長く続く逆流は食道がんのリスク上昇とも結びついていますし、喫煙はそれとは別に、同じリスクを上げます。二つが同じ組織の上で重なります。
これで慌てる必要はありません。ただ、頻繁な胸やけを、理由を聞かないまま薬で抑え続けるものではなく、直すものとして扱うだけの理由はあります。
胸やけが頻繁なとき、薬に頼っているとき、あるいは飲み込みにくさや飲み込むときの痛み、食べものがつかえる感じ、原因のわからない体重減少、続く嘔吐、黒い便があるときは、受診してください。
やめると何が変わりますか
これは禁煙のなかでも速い勝ちのひとつで、しかも珍しく、推測ではなく体で感じられるものです。
唾液の分泌が戻ります。 数日から数週間で。味覚も同じ時期に戻り、多くの人が同時に気づきます。
弁のしまりが改善します。 化学的にゆるめられ続ける状態が終わるからです。
禁煙してから数週間で胸やけがかなり減った、という報告は多くあります。最初の1か月にいる人から、聞かれなくても出てくる話のひとつです。統計ではなく、すぐに、体で起こることだから効きます。
正直な留保を二つ。逆流にはほかにも要因があります。体重、飲酒、遅い時間の大きな食事、一部の薬。禁煙ですべてが消えるとは限りません。そして禁煙後の体重増加は、ここでは逆向きに働きます。たばこの代わりに何を入れるかを考える理由が、もうひとつあるということです。
禁煙しながらできること
お金のかからない、逆流に効くことです。
- 食べてから3時間は横にならない。 重力は無料です
- 夜は早めに、少なめに食べる。 遅い時間の大きな食事が主犯です
- 夜がつらいなら、ベッドの頭側を数センチ上げる。 枕を重ねてもうまくいきません。腰で体が折れて、おなかの圧が上がるからです
- よくある引き金に気をつける。 酒、コーヒー、脂の多い食事、辛いもの。ただし人による差が大きいので、一覧ではなく自分の経験を使ってください
- 食後の1本を、名指しで置き換える。 席を立ってください。夕食後の短い散歩は、逆流にも血糖にも効き、しかも1日でいちばん強い合図からあなたを引き離します。一度に三つです
- 減らす前に数える。 3日間、時刻つきで全部記録すると、食事に結びついた1本がはっきり見えます
Puff Counterは最後の一つのためにあります。1本、あるいは1回の吸い込みごとに1タップ。実際の平均から週の上限が計算し直され、時刻の残る履歴ができます。「食後に吸っている」を、計画できる模様に変えるのは、その時刻です。
今日の2分
今夜、夕食のあと、座らないでください。1本の代わりに10分歩いてください。
この入れ替えひとつで、食道にとっていちばん圧の高い瞬間と、1日でいちばん強い合図が、同時に消えます。そしてそれは、あなたの逆流が「なくなった」といちばん先に気づく1本です。
よくある質問
喫煙は逆流性食道炎の原因になりますか?
強く関わります。喫煙は、胃の内容物をあるべき場所にとどめている筋肉の輪、下部食道括約筋のしまりを弱めます。同時に、体が持っている自然な中和剤である唾液の分泌を減らします。二つの作用は、どちらも同じ向きに押します。
たばこを吸ったあとに胸やけがするのはなぜですか?
吸っているあいだと吸ったあと、胃の入り口の弁がゆるむため、酸が食道へ上がれるようになるからです。そのうえ、酸を洗い流して中和する唾液も減っています。食後の1本はタイミングとして最悪です。胃がすでにいっぱいで、内側の圧が高いところに重なるからです。
禁煙すれば胸やけは治りますか?
数週間でかなり楽になることが多く、人によっては消えます。ただし逆流には、体重、飲酒、遅い時間の食事、一部の薬など、ほかにも要因があります。禁煙ですべてがなくなるとは限りません。それでも、大きくて手を打ちやすい要因をひとつ取り除けます。
逆流はどんなときに受診すべきですか?
胸やけが頻繁なとき、薬を常用しているとき、あるいは飲み込みにくさや飲み込むときの痛み、原因のわからない体重減少、嘔吐が続く、黒い便があるときは受診してください。長く放置された逆流は食道の粘膜を変えることがあり、早く見つける価値があります。