電子タバコで禁煙できますか?研究が示していること
コクランレビューが示すニコチン入り電子タバコの禁煙効果と、日本では買えないという事情。そして最大の落とし穴である併用と、ニコチンをやめる終点の作り方を整理しました。
かんたんな答え
コクランレビューは、ニコチンを含む電子タバコがニコチン代替療法よりも禁煙成功率を高めるという確実性の高いエビデンスを示しています。ただし日本ではニコチン入りリキッドを国内で購入できません。また最大の失敗要因は、紙巻きタバコをやめきれず両方を続ける併用であり、いつニコチン自体をやめるかを最初に決める必要があります。
結論から書きます。ニコチンを含む電子タバコには、禁煙補助としての効果を示す質の高い研究があります。同時に、日本ではその方法をそのまま実行できません。
そして、効果があるかどうかとは別に、多くの人がつまずく地点がはっきりしています。順に説明します。
研究は何を示していますか
複数の臨床試験をまとめたコクランレビューは、ニコチンを含む電子タバコが、ニコチン代替療法(パッチやガム)よりも高い禁煙率につながるという、確実性の高いエビデンスを示しています。
これは弱い結論ではありません。禁煙支援の分野で、確実性が高いと評価される所見は多くありません。英国など一部の国が、公的な禁煙支援の選択肢として電子タバコを位置づけてきた背景には、この種の研究があります。
ただし、この結果には前提があります。試験では、参加者は紙巻きタバコを完全にやめることを目標にし、行動面の支援を受けています。自己流で両方を持ち歩く状況とは条件が違います。
日本ではその方法が使えません
ここが日本の記事で省略されがちな点です。
ニコチンを含むリキッドは薬機法上の医薬品等にあたり、国内での販売は認められていません。つまり、店頭で買える電子タバコで海外の研究と同じことをすることはできません。
日本で効果が確認されている選択肢は、次のとおりです。
- 禁煙外来。 医師の診察と処方を伴う治療で、条件を満たせば保険が適用される場合があります
- ニコチンパッチ、ニコチンガム。 薬局で購入でき、薬剤師に相談できます
- 行動面の支援。 記録、計画、周囲への宣言。単独でも効果があり、他の方法と併用すると上乗せされます
海外の情報をそのまま適用する前に、まず医師か薬剤師に相談するほうが早いです。
最大の落とし穴は「併用」です
切り替えを試みた人の多くが、実際にはここで止まります。
紙巻きタバコを半分に減らし、残りを電子タバコで埋める。一見すると前進ですが、体に入るニコチンの総量は減っていないことがよくあります。むしろ、吸えない場所や時間帯が電子タバコで埋まるぶん、増えることさえあります。
| 完全に切り替えた場合 | 併用している場合 | |
|---|---|---|
| 紙巻きタバコの本数 | ゼロ | 減るが残る |
| 燃焼由来の有害物質 | なくなる | 吸い続ける |
| ニコチン依存 | 続く | 続く、または強まる |
| 次に減らす対象 | 電子タバコ | 何も決まっていない |
併用は状態ではなく、途中経過であるべきものです。ところが多くの人が、そこで数年止まります。
終点を先に決めてください
切り替えを選ぶなら、始める前に決めておくことが一つあります。いつニコチンをやめるかです。
これを後回しにすると、ほぼ確実に長期化します。理由は単純で、電子タバコには終点がないからです。紙巻きタバコは1本吸い終われば終わりますが、デバイスはポケットの中でいつでも待機しています。
実行しやすい順序は次のとおりです。
- 紙巻きタバコを完全にやめる日を決める。 減らすのではなく、やめる日です
- その日から1週間、電子タバコの量は制限しない。 一度に二つの変数を動かさないためです
- 2週目から、1日のパフ数を毎週10〜20パーセントずつ減らす
- 濃度を段階的に下げる。 使っている製品で可能なら、量と並行して進めます
- 記録を見ながら調整する。 感覚ではなく数字で判断します
何度か失敗していても、それは普通です
ここまで読んで、以前の試みを思い出した人もいると思います。
禁煙に成功した人の多くは、一度でうまくいったわけではありません。何度か試して、そのうちの一回が続いた、という形がほとんどです。回数は失敗の記録ではなく、次の試行が持っているデータです。
前回どこで戻ったかを覚えていれば、それは有利な材料になります。飲み会だったのか、締切前だったのか、朝の一本だったのか。同じ場面をあらかじめ想定に入れておくだけで、次の一回は前回より長く続きます。
数字がないと、この計画は動きません
3番目の手順を実行するには、今の1日のパフ数を知っている必要があります。ところが、ほとんどの人が答えられません。推測してもらうと、実際の半分程度になります。
出発点がわからないまま「減らそう」と考えても、減ったかどうかを確認できません。確認できないものは続きません。
Puff Counterは1回ごとのパフを数え、実際の平均から週ごとの上限を自動で引き直します。減らす量が毎週小さいので、意志の力ではなく計算で進みます。
今日の2分。今日1日、吸うたびにスマホのメモへ線を1本引いてください。減らさなくてかまいません。その数字が、切り替えを終点のある計画に変えます。
よくある質問
電子タバコは禁煙補助として有効ですか?
ニコチンを含む製品については、コクランレビューがニコチン代替療法より高い禁煙率を示しています。ただしこれは適切な支援の下で紙巻きタバコを完全にやめた場合の結果です。両方を使い続ける併用では、この効果は得られません。日本ではニコチン入りリキッドを国内で買えない点も条件を変えます。
日本で電子タバコを使って禁煙する方法はありますか?
国内で入手できるリキッドは原則ニコチンを含まないため、海外の研究が前提とする方法とは条件が異なります。日本で確立している選択肢は、禁煙外来での治療と、薬局で買えるニコチンパッチやガムです。まず医師や薬剤師に相談するほうが、確認された道筋に乗れます。
電子タバコに切り替えたのに、結局両方吸っています
最も多いパターンです。吸えない場所を電子タバコで埋めると、紙巻きタバコの本数は減っても総ニコチン摂取量は下がらず、依存が維持されます。抜け出すには、紙巻きタバコを完全にやめる日を先に決め、その後に電子タバコ側の量を段階的に減らす順番が要ります。
電子タバコをやめる終点はどう決めればいいですか?
切り替えた時点で、ニコチンをやめる日を先に決めておくのが現実的です。終点がないまま使い続けると、多くの人が数年単位で使用を続けます。濃度を段階的に下げ、1日のパフ数を毎週少しずつ減らし、記録で進み具合を確認する方法が扱いやすい形です。