アイコスと紙巻きの併用はなぜ危険?総摂取量が増える理由
室内では加熱式、外では紙巻き。この使い分けは日本でとても多いパターンですが、切り替えではなく上乗せになりがちです。なぜ総摂取量が増えるのか、どう抜け出すかを整理します。
かんたんな答え
加熱式と紙巻きの併用は、切り替えではなく上乗せになりやすい状態です。紙巻きの燃焼由来の曝露は残ったまま、吸える場面が増えるため1日の総ニコチン摂取量が上がることも珍しくありません。移行の手段として使うなら期限を決め、紙巻きを完全にゼロにするところまで進める必要があります。
室内や車の中では加熱式、外に出たら紙巻き。あるいは普段は加熱式で、飲みの席では紙巻き。日本ではとても多いパターンです。
そして、これが減らす計画としては最もうまくいかない形でもあります。切り替えたつもりが、実際には上乗せになっているからです。
なぜ併用は「減った」に見えるのか
紙巻きの本数だけを見ると、確かに減っています。1日20本が8本になった。これは前進に見えます。
しかし1日の合計を数えると、話が変わります。紙巻き8本に加熱式12本で、合計20本。以前と同じか、それ以上ということが起こります。
見えなくなる理由ははっきりしています。人は同じ種類のものしか数えません。紙巻きの箱は減り方が目に見えますが、そこに加熱式の本数を足し算する習慣は、ほとんどの人にありません。
吸える場面が増えると回数は増える
これが併用のいちばんの構造的な問題です。
加熱式はにおいが弱く、灰も出ません。そのため、以前なら吸わなかった場所でも吸えるようになります。自宅のリビング、車内、換気扇の下。日本では法律上も加熱式に別枠の扱いがあり、飲食しながら使える喫煙室が経過措置として認められている場所もあります。
制度上使える場面が広いということは、吸うきっかけが増えるということです。行動として見れば単純な話で、吸える回数が増えれば、回数は増えます。
そして、紙巻きのほうも完全にはなくなりません。「外だから」「お酒の席だから」という条件付きで残り続けます。条件付きで残るものは、条件が来るたびに戻ってきます。
燃焼由来の曝露は減った分だけ安全にはならない
紙巻きを20本から8本に減らせば、タールや一酸化炭素の曝露はその分下がります。ここは事実です。
ただし、健康リスクは曝露量に比例して下がるとは限りません。特に心血管系のリスクは、比較的少ない量でもかなり高いところまで立ち上がることが知られています。1日数本まで減らしても、そこにリスクの大部分が残っているという指摘は以前からあります。
つまり併用は、いちばん有害な部分を残したまま、ニコチン源だけを増やしている状態になりがちです。
抜け出す手順
出口はあります。順番が大事です。
- 3日間、紙巻きと加熱式の両方を数えます。合計の数字を出してください。ここで初めて現実が見えます。
- 紙巻きを終わらせる日を決めます。2週間以内の具体的な日付にしてください。「そのうち」は日付ではありません。
- その日まで、紙巻きだけを毎日1〜2本ずつ減らします。加熱式は増やさないよう上限を決めておきます。
- 紙巻きがゼロになったら、そこから加熱式の本数を週15〜20%ずつ下げていきます。
- 1日数本まで下がったら、終わりの日を決めます。
二つを同時に減らそうとしないでください。計画が曖昧になり、どちらの数字も守れなくなります。まず片方を終わらせる。それから次に進む。
紙巻きが戻ってくる場面を書き出す
併用から抜けるとき、紙巻きは決まった場面で戻ってきます。人によってほぼ固定されているので、先に書き出しておくと対処できます。
多いのは、お酒の席、仕事で強いストレスがかかったとき、人からすすめられたとき、そして久しぶりに会う人と喫煙所に行ったときです。共通しているのは、自分で選んだというより流れで吸っている点です。
それぞれに、代わりの行動を一つだけ決めてください。飲みの席なら席を立って水を取りに行く、喫煙所ならついていかない。完璧である必要はありません。行動のあいだに判断が一つ挟まるだけで、回数は確実に減ります。
何度か失敗していても問題ない
併用の形で数年止まっている人はたくさんいます。それは意志が弱いからではなく、この形が居心地よくできているからです。どちらの罪悪感も半分になり、どちらの制限も回避できるからです。
やめられた人の多くは、一度で成功したわけではありません。何度か試したうちの一回が続いただけです。今回がその一回になる可能性は、いつでも残っています。
今日の2分
今日は減らさなくて構いません。紙巻きと加熱式、その両方の本数を数えて、合計を出してください。それだけです。
多くの人にとって、この合計の数字が最初の転機になります。減っていると思っていたものが減っていなかった、と分かるところから、本当の計画が始まります。
Puff Counterは紙巻きも加熱式も同じ画面で記録できるので、種類が分かれていても1日の合計が一目でわかります。まずは今日の合計を出してみてください。
よくある質問
紙巻きを減らして加熱式と併用しているなら害は減っていますか?
紙巻きの本数が減れば燃焼由来の曝露はその分下がりますが、少量でもリスクが比較的高く残る領域があり、半分に減らせば半分安全になるわけではありません。加えてニコチン源が増えるため、総摂取量が下がっていない場合もあります。
なぜ併用すると本数が増えるのですか?
加熱式はにおいが弱く灰も出ないため、室内や車内など以前は吸わなかった場面でも吸えるようになります。吸える場面が増えれば回数は増えます。紙巻きは減らしたつもりでも、1日の合計では変わらないか増えることがあります。
併用から抜け出すにはどちらをやめるべきですか?
先に紙巻きをゼロにするのが現実的です。燃焼由来の曝露が最も大きい部分だからです。日付を決めて紙巻きを終わらせ、その後で加熱式の本数を週ごとに減らしていきます。二つを同時に減らそうとすると計画が曖昧になります。
併用している人は多いのですか?
加熱式に完全移行せず、紙巻きと使い分ける形が定着する人は多いと報告されています。場面ごとに使い分けられる利便性があるため、意図せず長期化しやすいパターンです。期限を決めていない移行は、たいていここで止まります。