喫煙で脳卒中のリスクは2〜4倍になる
CDCによると喫煙者の脳卒中リスクは非喫煙者の2〜4倍。原因は血栓のできやすさと血管の傷みです。やめると比較的すぐに下がりはじめます。
かんたんな答え
喫煙は脳卒中のリスクを、吸わない場合のおよそ2〜4倍に高めるとCDCは示しています。血液を固まりやすくし、血管の壁を傷めて狭くし、血圧と心拍を上げるためです。リスクは禁煙後まもなく下がりはじめ、その後も何年も下がり続けます。
脳卒中は、脳のどこかへ向かう血流が止まったときに起こります。血栓が血管をふさぐか、血管が破れるかのどちらかです。脳の組織は、数分で死にはじめます。
CDCは、喫煙する人の脳卒中リスクを、吸わない人のおよそ2〜4倍としています。たばこに結びついた数字のなかでも大きいほうで、しかもそれは、ひと晩で言葉や運動や自立を奪いうるものに対する数字です。
なぜたばこで脳卒中が起きるのですか
喫煙は、一本の経路でリスクを上げているのではありません。三つが同時に走り、それが掛け算になります。
血液が固まりやすくなる。 喫煙は血小板を固まりやすくし、凝固に関わる成分を増やします。固まりやすい血液とは、いちばん固まってほしくない場所で血栓をつくりうる血液のことです。
血管そのものが傷む。 動脈の内側は生きている面で、たばこの煙はそこを傷つけ、炎症を起こします。傷んで炎症を起こした壁は、脂肪の沈着ができる場所です。沈着は通り道を狭くし、そして破れることがあります。破れて流れ出したものは、どこか細いところに引っかかるまで流れていきます。それが脳で起これば、脳卒中です。
血圧と心拍が上がる。 ニコチンは一本ごとにこれをやります。すでに傷んだ血管の内側で圧が上がることが、出血性の脳卒中を押し進めます。
固まりやすい血液、狭くもろくなった管、上がった圧。どれか一つだけでもリスクは上がります。三つそろうことが、数字の大きさを説明します。
首を通って脳へ血液を運ぶ頸動脈にも触れておきます。喫煙はこの場所での沈着の進みを特に速めます。頸動脈が狭くなることは、原因を特定できる脳卒中のなかでもっとも多いもののひとつです。
加熱式たばこなら脳卒中とは関係ないのですか
正直に、両方向とも書きます。
血管の壁を傷める燃焼由来の有害物質は、紙巻きたばこを燃やすことで生まれます。そこを避ける製品は、その部分の曝露を減らします。一方で、血圧と心拍を上げるのはニコチンそのものであり、届け方を変えてもその部分は残ります。
そして加熱式たばこについて、脳卒中や心血管の長期的な結果を示すデータは、まだありません。製品が新しすぎるからです。「まだわかっていない」は「安全だとわかっている」とは違います。加えて日本で多いのは併用です。外では紙巻き、室内では加熱式という形になると、合計の曝露は減りません。
サインを覚えてください
このページから実際に持ち帰るものを一つだけ選ぶなら、ここにしてください。脳卒中の結果は、治療がどれだけ早く始まるかで大きく変わります。血栓を溶かす、あるいは取り除く治療には、使える時間の窓があるからです。
次のいずれかがあれば、すぐに119番に電話してください。
- 顔 — 片側が下がる、笑うと左右がそろわない
- 腕 — 両腕を上げたとき、片方が下がってくる、力が入らない
- 言葉 — ろれつが回らない、話がおかしい、簡単な文をくり返せない
- 突然の、原因の思い当たらない激しい頭痛
- 突然の視力の低下やかすみ
- 突然の片側のしびれや脱力、突然バランスを崩す
おさまるかどうか様子を見ないでください。自分で運転しないでください。数分で消えた症状は一過性脳虚血発作だった可能性があり、それでも急いで診てもらう必要があります。本格的な脳卒中の前触れとして起こることが多いからです。
やめるとどれくらい早く下がりますか
ここが希望のある半分で、しかも喫煙に関わる多くのリスクより速い時間軸です。
24時間以内に、一酸化炭素は抜け、血液がふたたびきちんと酸素を運ぶようになります。血圧と心拍も落ち着きはじめます。
数週間で、血小板の固まりやすさが改善し、血流がよくなります。
数か月から数年かけて、血管の壁の炎症が引き、リスクは一度も吸わなかった人の水準に向かって着実に下がっていきます。
肺の損傷とは違い、心血管系の絵の多くは本当に元へ戻ります。喫煙が血液と血管にしていることの多くは、構造の変化ではなく機能の変化だからです。曝露を止めれば、機能は回復します。
血圧は別に名前を出しておく価値があります。もし高いなら、それは一つ目のリスク要因の上に乗ったもう一つのリスク要因で、二つは足し算ではなく掛け算になります。そして血圧は治療できます。これは心配する理由ではなく、測りに行く理由です。
今週やること
- 血圧を測る。 健康診断を待たなくても、多くの薬局や自治体の窓口で数分で測れます。高血圧は症状が出ないまま進み、脳卒中のもう一つの大きな要因です
- 3日間、何も変えずに数える。 紙巻き1本、あるいは1回の吸い込みごとに、その場で記録します
- ゼロの日を8〜12週間先に決める。 想像した数字ではなく、実測した平均から、週ごとに上限を下げていきます
- 薬の側についても聞く。 ニコチン製剤の併用や禁煙補助薬を行動面の計画と組み合わせると、どちらか一方だけより結果がよくなります。自分に使えるものは、医師か薬剤師に確認してください
- 一緒に暮らしている人にサインを教える。 ほとんどの脳卒中は、起こしている本人ではなく、隣にいる人が気づきます
Puff Counterは数える部分を引き受けます。1本、あるいは1回の吸い込みごとに1タップ。実際の平均から週の上限が組み直され、線が下がっていくのが見える履歴が残ります。
今日の2分
今日の本数を数えてください。そのあと、顔・腕・言葉の三つを、一緒に暮らしている人に送ってください。
一つ目の数字は、あなたが今週から下げはじめられるリスクです。二つ目は、悪い日が来たときに、その日がどう終わるかを決めるものです。あなたにとっても、その人にとっても。
よくある質問
喫煙で脳卒中のリスクはどれくらい上がりますか?
CDCは、喫煙する人の脳卒中リスクを吸わない人のおよそ2〜4倍としています。リスクは喫煙量とともに上がり、血管が詰まるタイプの脳梗塞と、血管が破れるタイプの脳出血の両方にあてはまります。
なぜたばこで脳卒中が起きるのですか?
三つの仕組みが同時に働きます。血小板が固まりやすくなって血栓ができやすくなること、血管の内側が傷んで炎症を起こし脂肪の沈着で狭くなること、そして血圧と心拍が上がること。この三つが重なると、血管が詰まるか破れるかの条件がそろいます。
禁煙してどれくらいで脳卒中のリスクは下がりますか?
下がりはじめるのは早い段階です。一酸化炭素はおよそ24時間で抜け、血圧と心拍はその日のうちに落ち着きはじめます。血流はその後の数週間から数か月で改善し、リスクは何年もかけて、一度も吸わなかった人の水準に向かって下がり続けます。
脳卒中のサインにはどんなものがありますか?
片側の顔のゆがみ、片腕の力が入らない、ろれつが回らないの三つが代表的で、どれか一つでもあればすぐに119番に電話してください。突然の激しい頭痛、突然の視力の低下、片側のしびれやめまいも同じです。脳卒中の結果を決める最大の要因は、治療までの時間です。